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越喜来レポート

地域に眠る資源を活用して復興を果たす (1/3)

女性たちに社会との接点を取り戻してもらう

 キリンビールが「復興応援 キリン絆プロジェクト」を通じて支援を行った、「浜の台所CASセンター 」と「越喜来番屋」の建設。この2つの施設の運営母体である地域資源利活用推進協議会は、2013年1月に設立された。
 しかし、設立に至るまでの経緯は困難の連続だった。
 「震災により、越喜来地区では大半の産業が流出してしまいました。何より深刻だったのは、仕事を失ったことで社会との接点が失われたことです。特に女性の喪失感が顕著でした。そこで雇用を取り戻す活動を始めたのです」
 地域資源利活用推進協議会で会長を務める八木健一郎さんは、震災直後のようすを振り返った。

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震災直後の越喜来地区を振り返る八木さん

 当時、男性はガレキの片づけなど何かしらの仕事を見つける人が多く、社会との接点も少なからず持っていた。一方、女性たちは先の見えない状況の中で、避難所暮らしを続けながら悶々とした日々を送っていた。越喜来地区の女性の中には、震災前、ホタテやワカメ、カキなどの養殖業で働いていた人が多く、一日中食事の支度や洗濯などに追われる避難所暮らしを続けるうちに、心理的なダメージを負う人も出始めたという。
 「試行錯誤を重ねた結果、復興への祈りを込めたミサンガを作ることにしました。作り手となったのは女性たちです。未亡人になってしまったり、夫はいるけれども職を失ってしまった人など、本当の意味での社会的弱者の方たちを中心に、生産活動をしてもらいました」
 八木さんたちにより震災からわずか1ヵ月後に企画されたミサンガ作りは、3ヵ月後には販売を開始できるほど、スピード感のある活動だった。
 生産者として活動を始めた女性は約350人。宮城県北部から岩手県北部まで、広い範囲にわたって女性たちがミサンガ作りを志願した。浜のミサンガ「環(たまき)」と名付けられたこの商品は、約1年間で17万本近くを生産。売上高は1億円を超えた。

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復興への祈りが込められた浜のミサンガ「環(たまき)」(左) ミサンガ作りには被災地の多くの女性が携わった(右) (写真提供/地域資源利活用推進協議会)

「ミサンガは1本1100円で販売しました。そのうち6割が生産者の収入になります。残りの4割は、自己啓発などの研修活動の費用として活用しました」
 八木さんたちが目指していたのは、一時的に雇用や収入を確保するのではなく、女性たちに社会との接点を取り戻してもらうことにあった。そのためには、継続的な仕事を生み出す必要がある。そこでミサンガ販売の収益を活用して、研修活動を続けた。
 越喜来地区を出たことがない女性が多いことをふまえ、県外の産業も視察した。漁業以外にも、観光など他産業を視察しながら戦略や戦術を学び、自分たちの越喜来地区で何ができるかを考え続けた。

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