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大船渡レポート

「食のまち」として復興を果たす (1/3)

震災の被害に苦しむ水産業の町

 岩手県南部の太平洋沿岸に位置する大船渡市。サケやスルメイカをはじめとした魚類の水揚げのほか、カキやホタテの養殖など、水産業の町として栄えてきた。特に秋の味覚であるサンマは、震災前、全国屈指の水揚げ量を記録するほどだった。また、豊富な海産物を取り扱う水産加工業も盛んで、市内には沿岸部を中心に多数の水産加工会社が軒を連ねていた。

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大船渡市は秋になると、大量のサンマの水揚げや加工で繁忙期を迎える

 しかし、東日本大震災は水産業の町に壊滅的なダメージを与える。
 大船渡市で水産業に携わる生産者や加工業者の多くは、事業の停止を余儀なくされた。その後、震災には決して屈しないとの思いを胸に、操業を再開する事業者が相次いだが、生産量は震災前に比べほど遠いと言わざるを得ないほど、低い水準のままだった。
 「2つあった工場のうち、津波により1つは全壊。もう1つの工場では従業員が1名亡くなりました。残った従業員がすぐに現金を手にできるよう、震災から20日後の3月31日に全員を解雇。失業保険をもらえるようにしました。9月には事業を一部再開できたので、再雇用を呼びかけましたが、従業員は3分の1しか戻りませんでした。家を流されるなどしてすでに町を出てしまった人や、震災を機にリタイアする高齢者の方が多数いたからです」
 大船渡市で水産加工会社を営む、及川冷蔵株式会社の及川廣昱社長は、震災当時の会社の様子を振り返った。

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震災当時の様子を振り返る及川社長

 及川社長や従業員たちの努力により、2011年9月に事業の再開にこぎつけた及川冷蔵。しかしその年の売上高は、震災前の20パーセントほどに落ち込んだ。翌年には80パーセント近くにまで回復したが、依然として、販路の拡大や雇用の安定確保、運転資金の不足といった課題を抱えていた。

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及川冷蔵は津波で全壊した工場を再建して、震災後も事業を続けている

 その一方で、震災の被害に苦しんでいるのは及川冷蔵だけではないのも事実だった。及川社長が大船渡市で水産業に携わる人々と話をしてみると、生産者も加工業者も一様に、事業の復旧の遅れや売り上げの低迷を口にした。
 大船渡市の水産業を盛り上げるために、みんなで協力してできることはないか。2012年9月、そんな思いから及川冷蔵をはじめ、市内で活動する水産加工会社6社が集まり、協同組合の設立を模索する動きが始まる。そして2013年7月、「三陸パートナーズ」という名の協同組合が設立されることとなる。

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