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重茂レポート

漁業の復活に欠かせない早採りワカメ (3/3)

分かち合う精神で震災を乗り切る

 重茂半島では2011年5月の天然ワカメを皮切りに、ウニやコンブなど、震災から間もなくして収穫を再開した。
 その際に、力を発揮したのが「分かち合う精神」だ。
 漁船は津波でほとんどが流されてしまったが、残った船を組合員で共同使用した。また、収穫量を出漁数で均等に割ったり、アワビなどは獲る数を等しく制限する措置まで講じた。本来なら競争が当たり前の漁業の世界。しかしあえて公平性を担保することで、組合員全員がひとつになって震災を乗り切ろうとしたのだ。
 「みんなで分かち合う精神というのは、重茂漁協ならではのもので、他ではなかなか見られないと思います。でも今年は重茂半島の復興元年。これからは徐々に震災前の競争環境に戻しながら、組合員には独立採算を目指して切磋琢磨してもらうつもりです」
 後川次長は重茂漁協の今後の方針を話してくれた。
 ところで、重茂漁協ではなぜ2014年を復興元年に位置付けたのだろうか。伊藤隆一組合長によれば、漁船の数に加え、養殖施設や加工場の復旧度合いが、震災前と同じ100%に戻るためだという。また、アワビの種苗センターもオープン。稚貝を育てることで、安定的な生産が期待できるようにもなった。これらの事実は、重茂半島が復興を実現するためのスタートラインに、ようやく立てたことを意味する。
 しかし、すべてが震災前のように元通りになったわけではない。
 重茂半島には10の漁港があるが、機能が回復したのはまだ5つ。しかもその5つの漁港でも、津波で破壊された堤防などの整備が完全でないため、波が高い日は必ず、漁船を陸にあげなければならない。たとえ海が穏やかな日でも、漁船が波をかぶってしまうことがあるというから気が抜けない。また、半島を走る道路も、海岸沿いを中心に多くが破壊されたが、いまだに復旧工事が続いている状況にある。

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重茂半島では漁船が波をかぶらないように陸あげしている光景を目にする


 2014年を復興元年とした重茂の人々。その前途は、決して楽観できるものではないが、分かち合う精神や自然との共存共栄の姿勢を糧に、「復興応援 キリン絆プロジェクト」による支援を生かしながら、必ずや復興を現実のものにしてくれることだろう。

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重茂漁港に陸あげされていた漁船のひとつ。競争が当たり前の漁業において、「共に恵まれる」ことを願う名前をつけていることからも、重茂の人々の助け合いの心が読み取れる


写真提供/重茂漁業協同組合
取材協力/有限会社パワーボール、写真撮影/和田剛

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