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洋野町贈呈式レポート

洋野町贈呈式レポート 北三陸を世界ブランドにする試み (1/3)

津波の人的被害ゼロの町

 2014年6月24日、岩手県洋野町にある「ひろの水産会館」で、「復興応援 キリン絆プロジェクト」による水産業支援の贈呈式が行われた。

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贈呈式の会場となった「ひろの水産会館」。津波で被災したが、2014年3月にリニューアルオープンした。建物の中では洋野町の海産物を買えるほか、「ウニ丼」などの料理も味わえる。外観は白い船をイメージして作られた。

 岩手県の最北端に位置する洋野町は、人口1万8千人あまりの太平洋に面した町。特産のウニをはじめ、アワビ、ホタテ、ホヤ、ワカメなど、多彩な海産物を生産してきた。
 また、東日本大震災の際は、津波による人的被害がゼロだった町としても知られている。
 岩手県の北限に位置するため、他の地域に比べ津波の威力が弱かったのも事実だが、高台への避難道が整備されていたり、津波が来たら「まず逃げる」という訓練を徹底するなど、町ぐるみで津波対策に取り組んでいたことも奏功した。

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現在は穏やかな表情を見せる洋野町の海

 その一方で、沿岸部に位置する魚市場や水産加工場、ウニの種苗生産を行う栽培センターなどは、津波により大きな被害を受けた。

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ウニの栽培センターは津波により破壊されたが、町の人々の努力で再建され(左)、現在は種苗も育っている(右)

 洋野町は以前から、人口減少や高齢化、漁業の担い手不足など様々な課題を抱えていた。そこへ追い打ちをかけた震災に立ち向かおうと、町の生産者、漁業協同組合、水産加工会社などが協力し、2013年11月、「北三陸 世界ブランドプロジェクト実行委員会」を発足。「北三陸の食を日本、そして世界に届けるプロジェクト」という名のもと、北三陸(注)の高品質な食資源を国内外に発信する、プレミアム海産物加工品の開発に着手した。
 「震災前の洋野町は、それぞれの事業者が独自にビジネスをしていて、町としての一体感に欠けていました。震災を機に新しいブランドを作り、広く世界に発信することで、町のみんなが同じ方向を向いて活動できると考えたのです」
 「北三陸 世界ブランドプロジェクト実行委員会」の発起人であり、実行委員長でもある下苧坪之典(したうつぼ ゆきのり)さんが、実行委員会発足の経緯を話してくれた。

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洋野町の海を背に、実行委員会発足の経緯について語る下苧坪さん

 海産物の加工や卸を営む会社の代表でもある下苧坪さんは、30代前半とまだ若い。その若者が先頭を切って走り出すことで、町の人たちを巻き込めると考えた。当初5人でスタートした実行委員会は、次々と仲間を増やし、現在は8名。メンバーには水産事業者だけでなく、燻製を作る際に使われる岩手県産の木材チップを提供する公社の代表や、北三陸の伝統である「南部もぐり」を継承しながら素潜りでホヤをとる南部ダイバーなど、町の多彩な顔ぶれが揃っている。また東京にも、協力してくれる大学や流通企業などのメンバーがいる。
 「私たちの実行委員会では、今回のブランディングプロジェクトを成功させることで、水産業の活性化と同時に、町の人口の増加や漁業の担い手の拡大などを実現したいと考えています」 下苧坪さんによれば、今回のプロジェクトが洋野町と同じような課題を抱える北三陸の他の地域でも真似をしてもらえるような、「成功のモデル」になることを目指すという。
 「復興応援 キリン絆プロジェクト」を展開するキリングループでは、洋野町の多彩なメンバーが協力して取り組む「北三陸の食を日本、そして世界に届けるプロジェクト」の趣旨に賛同。日本財団の協力のもと、ブランド育成、6次産業化による販路拡大、担い手・リーダーの育成をテーマとした水産業支援として、2千万円を支援することを決定した。

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