復興応援キリン絆プロジェクト

水産業復興支援事業

活動について

各地域での活動

活動レポート

HOME
活動レポート
石巻贈呈式レポート

石巻贈呈式レポート 水産業の枠を超えて復興を目指す (1/3)

食産業全体で石巻の復興に貢献したい

 2014年8月12日、宮城県石巻市にある石巻商工会議所で、「復興応援 キリン絆プロジェクト」による水産業支援の贈呈式が行われた。
 東日本大震災で壊滅的な被害を受けた石巻市。水産加工業においても、水産加工処理量の99パーセントが被害を受け、生産を再開するまでには1年もの時間を要した。しかし、仮設工場を建てたり工場を再建するなどして事業を再開しても、得意先と取引を再開できず、また、風評被害の影響もあり、事業活動は困難を極めた。
 こうした状況を打開しようと、2013年9月に設立されたのが「石巻うまいもの発信協議会」だ。協議会は石巻の水産加工7社に加え、業務用スープ・エキスなどを提供する加工会社、お米の生産・販売を行う会社の9社で構成されている。協議会が発足したきっかけは、復興庁が推進している「結の場」での活動だった。
 「震災前、水産加工の7社はまったく交流がありませんでした。お互いにどんな商品を作っているのかさえ、知らなかったほどです。しかし震災が起き、沿岸部にあった7社の工場はほとんど全壊してしまいました。従業員を亡くした会社も少なくありません。そして震災から1年が過ぎ、苦労の末に事業を再開しても、売上は激減してしまいました。そんな中、2012年11月に始まった石巻の「結の場」(宮城復興局主催)では、被災企業と都市部の企業とのマッチングが行われ、社員食堂での商品販売やカタログ通販などの支援が受けられました。この「結の場」に参加していた7社が意気投合し、地域復興のための新たな取り組みを始めようと、協議会を設立したのです」
 「石巻うまいもの発信協議会」の会長を務める千葉雅俊さんが、協議会設立までの経緯を教えてくれた。

01ishi.jpg

協議会設立の経緯について語る千葉会長

水産加工7社は互いに取り扱う商品が異なり、ライバル関係になかったことも、協働を後押ししたという。そして協議会には、水産物以外の食品加工を手掛ける2社も参加することになる。
 「石巻には水産物以外にも、素晴らしい食材が豊富にあります。こうした食材も活用して、食産業全体で石巻の復興に貢献しようと、新たに2社に加わってもらいました」
 千葉さんによれば、協議会を立ち上げる意味は、個々の事業者ではできなかった事業を実現できる点にあるという。協議会のメンバーは毎月のように集まり、商品開発のための意見交換をしたり、開発した商品の試食会を行ったり、海外からバイヤーを読んでヒアリングを実施したりしている。その結果、「ビールに合うおつまみ」をコンセプトに、すでに15品目の新商品を開発。今年の7月には、石巻市内で開催されたビアガーデンで、「焼きしそ明太子」や「ブリ生ハム燻製風味」をはじめとする、15商品すべてをお披露目した。当日は、参加者にアンケートを取るなど、マーケティング活動も行っている。

02ishi.jpg

開発した商品の試食会行う協議会のメンバー(左)と今年の7月に開催されたビアガーデンでの集合写真(中)ビアガーデンでは参加者にアンケート調査も実施。商品の改良に役立てられている(写真提供/石巻うまいもの発信協議会)

 また、新たな販路の開拓として、近年、注目を集めているハラールフード(イスラム教の律法にのっとった、豚肉やアルコールを使用していない食品)の商品開発にも取り組んでいる。
 「まずはハラールとは何なのか、専門家を呼んで勉強会を開いたり、ハラール認証の取得方法などを調査しました。今後はノンアルコールかつノンポークの商品開発に取り組み、商品化が実現でき次第、ハラール認証の取得も目指したいと思います」
 増加傾向にあるイスラム圏からの訪日外国人に加え、日本に定住するイスラム教徒にも、ハラールフードの需要はある。千葉さんはハラールフードも、新たな販路拡大の起爆剤になると考えているようだ。

03ishi.jpg

2013年11月に開催されたハラール勉強会の様子(写真提供/石巻うまいもの発信協議会)

 「復興応援 キリン絆プロジェクト」を展開するキリングループでは、「石巻うまいもの発信協議会」が目指す地域復興への取り組み(石巻味な交流プロジェクト)に賛同。日本財団の協力のもと高付加価値加工品の開発、ブランディング活動、販路拡大、情報発信などに5千万円を支援することを決定した。

04ishi.jpg

「石巻味な交流プロジェクト」のTシャツ。デザインは、無限の輪の中に、笑顔とおいしさがあふれていることを意味している。協議会のメンバーは全員、このTシャツを着て贈呈式に臨んだ

ページの先頭に戻る