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釜石贈呈式レポート

釜石贈呈式レポート 業種を超えた連携で地域発の食ブランドを目指す (1/3)

すべての漁業者が被災した水産業の町

 2014年10月1日、岩手県釜石市にあるカリタス釜石ベースで、「復興応援 キリン絆プロジェクト」による水産業支援の贈呈式が行われた。
 今回の贈呈式は、釜石市内で食品の製造や加工を手掛ける5社(有限会社リアス海藻店、株式会社浜千鳥、三陸いりや水産株式会社、有限会社ヤマキイチ商店、有限会社小島製菓)が設立した、任意団体の「釜石六次化研究会」に対して行われる。研究会には鮮度のよいホタテの販売やワカメの加工などを行う水産業の会社に加え、酒造や製菓など水産業以外の会社が参加していることも特徴的だ。
 「釜石六次化研究会が立ち上がったのは、2012年の夏。岩手県のテレビ局の方が主催した、面白い取り組みをしている会社を集めた懇親会での出会いがきっかけでした。震災前から釜石には、気仙沼のフカヒレや宮古のサンマのように、地域を代表するような水産品がありませんでした。懇親会で出会った5社は、釜石発のブランド商品を生み出したいという共通した思いを持っていたこともあり、意気投合します。そこで生産から加工、商品化、販売までを一手に担う六次化(注)を目指しながら、釜石発のブランド商品となるような高付加価値商品を生み出す研究をするために、団体を設立したのです」
 「釜石六次化研究会」の会長を務める宮崎洋之さんが、団体設立に至るまでの経緯を話してくれた。宮崎会長によれば、酒造や製菓など水産業以外の会社も参加することで、水産品をベースに今までにない商品を生み出す可能性が高まるという。

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団体設立の経緯を語る宮崎会長

 また、「釜石六次化研究会」の5社の中には、震災を機に釜石で活動を始めた人がいるのも特徴。宮崎会長自身、出身は北海道であり、震災当時は外食企業の社員としてパリに赴任中だった。震災後、妻の実家がある釜石のことが心配になり休暇を取得。現地で被災の状況を目の当たりにし、復興のための力になろうと意を決して外食企業を退職した。その後、自ら会社を立ち上げ、現在はフランスの食文化と釜石の海産物を組み合わせた商品の開発や販売を続けている。また、製菓会社の代表も震災後に帰郷し、家業を継ぎながら釜石の復興に身を投じている。
 その一方で、震災前から釜石で活動をしていた研究会のメンバーは、震災により甚大な被害を受けた。事業所や工場が津波で流出しただけでなく、従業員を失ってしまった会社もある。釜石全体でも、830ある漁業者がすべて被害を受けた。そして現在でも、事業を再開できていない漁業者が250もある。その中には、事業再開を諦め、廃業してしまった漁業者も少なくない。こうした事実も踏まえ、「釜石六次化研究会」のメンバーは、釜石全体の復興を成し遂げるためにも、地域を代表するブランド商品の開発に心血を注いでいる。

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震災当日の釜石市のようす。沿岸部の海底が露呈したり(写真上)、防潮堤に家屋が乗り上げたり(写真下)など、釜石を襲った大津波の威力がうかがえる(写真提供/唐丹の歴史を語る会)

 「復興応援 キリン絆プロジェクト」を展開するキリングループでは、「釜石六次化研究会」が目指す六次化による販路拡大とブランド商品開発の取り組み(釜石オープンキッチンプロジェクト)に賛同。日本財団の協力のもと、高付加価値商品の開発、ブランディング活動、販路拡大、情報発信などに3千万円を支援することを決定した。

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