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北三陸 世界ブランドプロジェクト実行委員会 試食会レポート

北三陸 世界ブランドプロジェクト実行委員会 試食会レポート (1/1)

 2014年10月22日、東京都中野区にあるキリングループ本社で、「北三陸 世界ブランドプロジェクト実行委員会」(以下、実行委員会)の試食会が行われた。
 実行委員会は震災後、岩手県の最北端に位置する洋野町で立ち上がった組織だ。洋野町は震災前から、人口減少や高齢化、漁業の担い手不足など、様々な課題を抱えていた。そこへ追い打ちをかけた震災に立ち向かおうと、町の生産者、漁業協同組合、水産加工会社などが協力。北三陸(注)の高品質な食資源を国内外に発信する、プレミアム海産物加工品の開発を続けている(事業の詳細に関するレポートはこちら:http://kizuna-nipponfoundation.info/2014/07/post-33.html)。
 試食会では、商品開発を進めている「水タコの冷燻」「鮭の温燻」「あわび燻製のあわび肝オイル煮」など6品目が登場。事前に行われた販売会では、最高級のウニを塩だけで味付けした、1瓶2500円にもなる商品も登場したが、最終的には完売となる盛況ぶりだった。

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試食会で提供された「水タコの冷燻」(左)と「鮭の温燻」(中)。最高級のウニを塩だけで味付けした「しお北紫うに」も完売するほど好評だった

 冒頭、キリン株式会社CSV推進部キリン絆プロジェクトの野田哲也・リーダーより、復興へ向けた取り組みの一環として、北三陸の高品質な商品を国内外へ販売するために努力を続けていることなど、実行委員会の紹介が行われた。

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実行委員会の紹介を行う野田・絆プロジェクトリーダー

 続いて、「北三陸 世界ブランドプロジェクト実行委員会」の委員長を務める下苧坪之典(したうつぼ ゆきのり)さんから挨拶が行われた。
 「本日は試食会に参加してくださり、誠に有難うございます。洋野町の海は入り江や湾がなく、波の荒い外洋に面しているため養殖には向きません。町で獲れる海産物も、ワカメ、ホヤ、アワビなど、ほとんどが天然ものです。そのため、漁業は天候や気候に大きく左右されます。漁業者も8割以上が、農業や会社勤めをするなど兼業をしています。こうした厳しい環境で漁業を続けているときに、震災が起きました。洋野町も少なからず被害を受けましたが、震災が起きたことを、北三陸に目を向けてもらい、新たなブランドを作るきっかけにしようと考えたのです。そんな私たちの考えに共感し、多大な支援をしてくださったキリングループには、本当に感謝しています」

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実行委員会を立ち上げるまでの経緯を語る下苧坪さん

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下苧坪さんは試食会に訪れた、キリンホールディングス株式会社の三宅占二・代表取締役社長に、商品説明も行っていた

 下苧坪さんは挨拶を終えると、スライドを使って事業の紹介も行った。
 洋野町で獲れる海産物は天然のものが多く、食材としての品質は高い。その一方で、天然ものが育つのは荒い外洋のため、漁業者は命がけで漁をしなくてはならない。だからこそ、漁で獲れたものを売るときも命がけで売る必要があると、実行委員会では考えている。そして今回の事業が成功し、地域ブランドを確立できれば、雇用が生まれ、漁業者が元気になり、最終的には地域活性化につながる可能性がある。そのためにも、まずはおいしい商品を全力で作る必要があるという。また商品には、地元で珍味として食されているアワビの肝を使ったり、燻製用にブナの廃材を利用するなど、今まで使われてこなかった素材を活用していることも特徴だ。

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スライドを使って事業紹介を行う下苧坪さん

 事業紹介が終了すると、いよいよ試食の時間となった。キリングループの社員の皆さんは、順番に並んで料理を取り分けてもらった。料理の取り分けには、キリン絆プロジェクトをキリングループと一緒になって支えている日本財団やRCF復興支援チームの皆さんも、お手伝いとして参加していただいた。

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試食会には100名を超える社員の皆さんが参加した

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下苧坪さん自身も社員の皆さんに料理を取り分けた

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試食会場には洋野町ののぼりも飾られていた

 キリングループの社員の皆さんは試食用の料理を受け取ると、自分のテーブルに戻り、キリンのビールやチューハイやワインを飲みながら、実行委員会の料理を試食。一通り試食が終わると、アンケートの質問に次々と答えていった。

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試食をしながらアンケートを書き込む社員の皆さん

 キリン本社ではキリンビール、キリンビバレッジ、小岩井乳業など、様々なグループ会社の社員の皆さんが働いている。また、海外のグループ会社で採用され、キリン本社に来られている社員も少なくない。この日の試食会でも、外国人社員の方を多く見かけた。

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試食会には外国人社員の姿も多く見られた

 そんな中、キリン株式会社のブランド戦略部リサーチ室で働く、男性社員のグループに話を聞いてみた。リサーチ室ではキリングループの商品が消費者にどう評価されているか、様々な角度からリサーチを行っているという。
 「絆プロジェクトの試食会には初めて参加しました。社外の方が作った料理の試食会でしたので、とても楽しみでした。実際に試食してみると、それぞれの料理に個性があり、東北の特徴も活かされていて良かったです。唐辛子が入っていて、お酒に合いそうな料理があったのも好感が持てました。どの料理もとてもおいしかったです」

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試食会ではそれぞれの料理の味を5段階評価しながら、自由スペースに感想も書き込むという、2種類の方法で評価が行われた

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アンケート用紙を回収箱に入れる社員の皆さん

 そして試食会の最後には、下苧坪さんから改めて挨拶が行われた。  「今回のプロジェクトを立ち上げた背景には、漁業者の皆さんが活躍できる場を作りたいという思いがありました。今後は商品作りだけでなく、生産者と消費者をつなぐ活動をしていきたいと思います。本日は貴重な時間を有難うございました。洋野町を代表して、感謝申し上げます」
 下苧坪さんが挨拶を終えると、会場からは大きな拍手が沸き起こった。
 「北三陸 世界ブランドプロジェクト実行委員会」では、今回の試食会でのアンケート結果もふまえつつ、12月に6アイテムを商品化する予定だ。試食会の前日に、大手百貨店で試験的に行われた販売会では、用意したすべての商品が完売するという好評ぶりだった。まずは国内で北三陸の高級感あふれる商品を浸透させ、商品を通じて洋野町をはじめとする北三陸の地域の素晴らしさを知ってもらい、最終的には世界ブランドとなれるよう海外にも販路を広げてゆきたい。そんな大きな目標の実現に向けて、実行委員会のメンバーは、一歩ずつ着実に前進してくれることだろう。

(注)北三陸という地域名が指す範囲に、明確な定義はない。一般的には、岩手県宮古市から青森県八戸市までと考えられている。

取材協力/有限会社パワーボール、写真撮影/和田剛

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