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宮城県漁協贈呈式レポート

宮城県漁協贈呈式レポート 殻付きカキで新境地を拓く (1/3)

震災で大打撃を受けた宮城県のカキ養殖

 2014年12月17日、宮城県石巻市にある宮城県漁業協同組合(以下、宮城県漁協)の本所で、「復興応援 キリン絆プロジェクト」による水産業支援の贈呈式が行われた。
 今回の贈呈式は宮城県漁協に対して行われる。宮城県漁協は2007年に県内沿岸にある35の漁協のうち、31漁協が経営基盤の強化を目的に合併して発足。その後、さらに2つの漁協が加わり、現在、33漁協が参加する組織として活動している。
 宮城県漁協が取り扱う主力商品のひとつに、県を代表する海産物でもあるカキがある。震災前の2009年度には、50億円を超す売り上げ実績を誇っていた。しかし震災により、カキ養殖に必要な施設がことごとく流失や倒壊した結果、販売シェアはダウンし多くの販路も喪失。2013年度の売上高は、約5分の1の11億円近くにまで落ち込んでいる。2009年度末時点で862名いたカキの養殖業者の数も、472名にまで減少。390名が休業や廃業に追い込まれた。
 こうした状況を打開しようと、宮城県漁協が着目したのが「殻付きカキ」だ。
 「宮城県産のカキは今まで、ほとんどが『生食用、安全安心、むき身』というブランドで流通していました。しかし震災により思うように生産ができず、販売量も低迷。養殖業者たちは少しでも生産量を増やそうと、カキの養殖を密集して行うようになりましたが、その結果、小粒のカキばかりとなり、価格の下落を招きました。こうした状況を変えるには、手間暇をかけて宮城のカキをブランド化する必要があったのです」
 宮城県漁協で経済事業担当理事を務める、阿部誠さんが「殻付きカキ」に着目した背景を語ってくれた。

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「殻付きカキ」に着目した背景を語る阿部さん

殻をむいて出荷するむき身のカキに比べ、「殻付きカキ」はそのまま出荷するので手間がかからないイメージがある。しかし実際は、海の中で養殖をしているときから、殻を傷つけずにカキ全体をキレイに保つよう、手間暇をかけなければならない。少しでも傷や汚れがあると、2級品となって価格が下がったり、出荷そのものができなくなるのだ。
 阿部さんによれば、震災前は若者を中心にカキ離れが進み、消費量も落ち込んでいたという。しかし近年は、オイスターバーの台頭やカキ小屋の知名度上昇により、全国的に需要が伸びている。オイスターバーやカキ小屋で出されるのは、主に「殻付きカキ」のため、宮城県漁協としても生産に乗り出す意義は十分にあるのだ。カキ養殖業者にとっても、むき身に加えて殻付きも手掛けることで、収入の増加を見込めることになる。
 宮城県内には多数のカキ養殖場があるが、宮城県漁協ではその中から「殻付きカキ」の出荷体制が整っている「唐桑」「長面浦」「鳴瀬」の3地域のカキを中心に、2015年はブランド化を始めることにした。
 「復興応援 キリン絆プロジェクト」を展開するキリングループでは、宮城県漁協が宮城県やカキ生産者、水産加工会社、その他流通各社などと連携して取り組む、「宮城県産『殻付きカキ』ブランディングプロジェクト」の趣旨に賛同。日本財団の協力のもと、「殻付きカキ」のブランド育成、PR・販促プロモーション、情報発信などに2千7百万円を支援することを決定した。

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