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地域ブランドの土台となる工場

「北三陸ファクトリー」開所式レポート (2/3)

始まりは「キリン絆プロジェクト」

 開所式ではまず、主催者を代表して下苧坪さんから挨拶が行われた。
 「本日の開所式には都心からも、多くの方にお越し頂き、誠に有難うございます。洋野町は人口1万8千人の小さな町ですが、世界に発信できる食材が豊富にあります。その中でもまずは北紫ウニに焦点を当てて、事業を展開していきます。『北三陸ファクトリー』は単なる工場ではなく、ひとつの考え方です。この考え方をベースに、世界に通用する地域ブランドを作っていきたいと思います」

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「北三陸ファクトリー」はひとつの考え方でもあると話す下苧坪さん

 続いて、洋野町の水上信宏・町長から来賓挨拶が行われた。
 「震災から5年が経過し、洋野町の復興計画も最終年を迎えました。この間、町としてもウニの振興に取り組んできましたが、『北三陸ファクトリー』では最新の加工設備を導入してウニをブランド化するとのことで、町の水産業にも心強い限りです。下苧坪さんたちの事業が軌道に乗ることで、地域経済が活性化し、雇用の促進につながることを期待しています」

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「北三陸ファクトリー」の開所が町の経済の活性化に寄与することを期待する水上・町長

 また、公益財団法人三菱商事復興支援財団の米森茂博・事務局長からも来賓挨拶が行われた。三菱商事復興支援財団は「北三陸ファクトリー」の改装費用を支援している。
 「本日の開所式、誠におめでとうございます。下苧坪さんに初めてお会いし、お考えを聞いたのが昨年の8月。それから1年近くを経て、今日を迎えることができ、感慨深いです。三菱商事復興支援財団では震災後、東北3県で50社の企業を支援してきました。福島県では果実を使ったワイナリー事業の支援も行っています。いつの日か、『北三陸ファクトリー』の商品が福島のワインと一緒に、店頭に並ぶことを期待しています。震災から5年が経ち、メディアの取り上げ方もずいぶん変わりましたが、私たちはこれからも復興支援を一層、強化していきたいと思います」

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これからも復興支援を強化していくことを力説する米森・事務局長

 そして「キリン絆プロジェクト」からは、キリン株式会社CSV推進部絆づくり推進室の野田哲也・室長が挨拶に立った。
 「下苧坪さんと初めてご一緒したのは、2014年6月の『キリン絆プロジェクト』の贈呈式です。北三陸の食を日本、そして世界へ届けるというプロジェクトにご支援させて頂いたのがきっかけです。下苧坪さんは地元の食材を使い、燻製や加工品を作ることですでに成功されていますが、今回は素晴らしい施設も開所されるとのことで、心よりお祝い申し上げます。下苧坪さんには物事を一歩一歩成し遂げる実行力、周りを巻き込む力、そして人間的な魅力があります。今後は日本だけでなく世界にビジネスを展開されるとのことで、大いに期待しています。『キリン絆プロジェクト』としても、洋野町の発展のために支援を続けていきたいと思います」

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下苧坪さんの人間的な魅力に言及する野田・室長

 最後に、八戸学院大学の大谷真樹・学長から来賓挨拶が行われた。下苧坪さんは大谷・学長の教え子だったという。
 「震災前、下苧坪さんは私が主催するアントレプレナー講座の生徒でした。当時の彼は、ワカメの卸売りが主な事業だったと思います。講座では他の生徒たちと一緒に、自分たちが持つ資源をどうすればより活かせるかを議論していました。その最中に震災が起きたのです。下苧坪さんは厳しい状況の中でもめげることなく、一生懸命に頑張っていました。私からは『大きな絵を描くように』とアドバイスしました。そして今、地域資源をブランド化して世界に発信することで、見事に大きな絵を実現しようとしてくれています。新しい加工品を生み出し、それを外部の人たちが評価してくれることで、初めて成功につながると思います。成功するまでやり遂げてくれることを、心から期待しています」

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事業を成功させるまでやり遂げることに期待を寄せる大谷・学長

 ここで来賓挨拶は終了の予定だったが、サプライズゲストとして株式会社日本金属工芸研究所の山田敏晶・社長が登場した。偶然に食べた「ひろの屋」の天然ワカメに感動したのがきっかけで、以後、下苧坪さんと親交を深めているという。山田社長からは「北三陸ファクトリー」の開所祝いとして、北紫ウニの殻で作った看板やウニをそのまま鋳造した飾り物、また、オリンピックイヤーにちなんでウニの殻を厚い金メッキで覆った盾がプレゼントされた。

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サプライズゲストとしてプレゼントを贈った山田・社長。写真はウニの殻を金メッキで覆った盾

 来賓挨拶が一通り終わると、下苧坪さんから「北三陸ファクトリー」の概要説明が行われた。
 「北三陸ファクトリー」は地域の漁業を復興させ、新たな雇用を生み出し、地域ブランドを確立することなどが目的の事業だ。2014年6月に、「キリン絆プロジェクト」の水産業支援を受けたことで、ブランド化に向けた活動をスタートさせることができたという。

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「北三陸ファクトリー」の概要説明を行う下苧坪さん

 洋野町は都市部から遠く離れた地域でもあるため、下苧坪さんたちは今まで、「お土産」となる商品作りをすることが多かった。「北三陸ファクトリー」が開所をしたのを機に、今後は首都圏などの大都市でも勝ち残れるような商品作りを目指す。そのため、価格帯も「日常の中の特別」を感じてもらえるような設定を考えている。
 北紫ウニを使った商品は、すでに都内の百貨店や築地市場でも販売実績があるほか、キリン本社の試食会でも好評を博した。また、商品開発のプロからも高い評価を得ている。

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築地市場で販売されている北紫ウニの商品は、ブランド力調査で2位を獲得するほど、高い評価を得ている

 さらに、北三陸から世界を目指すブランドとして、海外展開も着々と進めている。台湾では富裕層をターゲットに輸出を行い、香港では日系スーパーでの販売を見込んでいる。また、三陸沖ではウニを獲れる時期が限られるため、米国で北紫ウニを獲れる地域からの輸入も考えているという。
 「北三陸ファクトリー」が開所したことで、すでに10名の新規雇用が生まれているが、今後の課題は国内外の販売戦略を成功させることで、さらなる雇用を生み出し、水産業の担い手を育てることにあるのだと、下苧坪さんは力強く語ってくれた。

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