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地元商品がブランドとして認められる日を目指して

いいもの南三陸ブランド お披露目会レポート (2/3)

厳しい審査基準をクリアして認証されるブランド

 来賓挨拶が終了すると、これまでの活動報告とブランド認証品の紹介の時間になった。初めに、「いいもの南三陸ブランド」のアドバイザーを務める早坂久美さんから、ブランドの趣旨説明が行われた。
 ご当地ブランドである「いいもの南三陸ブランド」を立ち上げる際には、南三陸町を回りながらヒアリング調査を実施。海の恵み・森里の恵み・季節の食材・生産者の思いといった、町が持つ素晴らしい部分に着目し、ブランドコンセプトを確立したという。

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ブランドの趣旨について説明する早坂・アドバイザー

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説明はスライドを使って行われた

 「いいもの南三陸」というブランド名は、誰が聞いてもわかりやすい名称を念頭に決定された。また、ブランドマークは3地区が連携していることを示すため3本線を並べ、右端の1本には町の水産業の象徴でもあるリアス式海岸の地形をデザインした。

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ブランドマークは三本線の右側がリアス式海岸の形をしている

 「いいもの南三陸ブランド」として認められるためには、ブランド認証審査会でプレゼンと試食による審査に合格しなければならない。審査基準は2つ。「ストーリー性」「地域貢献」「オリジナリティ」が審査項目の『商品コンセプト』と、「外観」「食感・口あたり・香り」「味・美味しさ」で構成される『食味』において、5点満点で平均3.5点以上を獲得することが条件だ。また、商品の申請者は原材料、製造工程、アレルギー表示、栄養成分などの詳細を記した、「商品カルテ」も提出する必要がある。この「商品カルテ」を通じて、商品の安全性や衛生面もチェックされる。
 厳しい審査を経て、晴れて「いいもの南三陸ブランド」のブランド認証を受けた商品には「認証書」が付与される。ブランド認証された商品は、ブランドマークの使用が許可されるだけでなく、ウェブサイトや商談会を通じたPR活動にも参加できるなど、様々なメリットを受けることができるのだ。

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ブランド認証された商品に与えられる「認証書」

 ブランドの趣旨説明に続いて、各地区のブランド認証品の紹介も行われた。
 最初に登場したのは、歌津地区の「歌津うんめぇもの研究会」。震災後、漁協の青年部が中心になって立ち上げられたこの会では、地元の素材を使って新しい商品を開発し、適正価格で消費者に提供する「南三陸町海山の幸プロジェクト」を展開している。
 商品はカキ・ホタテ・ホヤを燻製にしたもの。「歌津うんめぇもの研究会」の会長を務める千葉孝浩さんによれば、漁師から季節ごとに一番良い素材を提供してもらい、カットせずにまるごと燻製にしている。また、燻製前に一度焼くことで、素材の旨味を凝縮。素材本来のおいしさを味わってもらうため、添加物も一切使用していないという。
 商品の完成後、50人にテストマーケティングを実施したところ、7割が5段階評価で最高評価を付けてくれた。自信を持って販売できる商品のようだ。現在は燻製したものを真空状態にし、冷蔵保存する形での販売を進めているが、いずれは常温でも保存できるよう更なる商品開発に努めていく予定だ。

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開発した商品への自信を見せる千葉・会長

 志津川・入谷地区の「南三陸おふくろの味研究会」は、その名の通りメンバーのほとんどが女性。漁協の女性部のメンバーが中心になって活動している。プロジェクト名は「食を通して幸せを届けるプロジェクト」だ。
 地元の水産会社から仕入れたタコや漁港で水揚げされたカキ・ホヤを、その日のうちに「アヒージョ」と「醤油麹煮」の2種類の缶詰にしている。「アヒージョ」に使われるにんにくは宮城県産、「醤油麹煮」に含まれる青南蛮(唐辛子の一種)も地元の農家で獲れたものを使用するなど、魚介類だけでなく農産物でも地域色にこだわっている。
 もっとも特徴的なのは、素材を仕入れ、調理し、缶詰にするまで、お母さんたちがすべて手作業で行っていることだろう。商品はすでに販売が始まっていて、多いときは月に2千個以上売れるという。会長の小山れえ子さんによれば、震災時に食糧が不足した教訓から、商品を缶詰という形にしたことで、被災地ならではの商品としても認知が高まっているそうだ。

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地域色にこだわった商品開発について話す小山・会長

 最後に登場したのは、戸倉地区の「戸倉漁師の会」。ワカメ・ホヤ・カキの養殖や定置網漁を営む漁師たちが、「南三陸料理のごはんプロジェクト」を立ち上げ、漁師の味をそのまま商品にするべく開発を続けている。
 「震災のときは船も漁具もすべてがなくなりました」
 会長の松岡孝一さんは震災当時をそう振り返った。
 それから5年半、地元の漁業者の想像を絶する苦労と「キリン絆プロジェクト」による支援を経て、今では本来の漁業を行えるまでになった。そうしたことへの感謝の思いも込めて、漁師にしかできない商品づくりに励んでいる。
 今回ブランド認定されたのは、獲れたてのカキを漁師の味付けで商品化した「戸倉ほろ酔い牡蠣」だ。朝に殻むきしたばかりのカキを加工場に持ち込み、酒粕や塩で加熱調理。すぐに冷凍することで、賞味期限を60日まで伸ばすことに成功したという。

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漁師にしかできない商品づくりを説明する松岡・会長

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お披露目会の会場にはブランド認証された商品がきれいに展示されていた

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