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女川ブランディングプロジェクト

女川ブランディングプロジェクト

まちの魅力を体感するブランディングで次代につなげるまちづくり

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まちの産業の中核をなす水産業の復興に向けて、震災後いち早く動き出した女川町。水産業を通じてまちの"素の良さ"を発信することで、ほかにはない女川町の価値を確立するプロジェクトに取り組む。女川町の持続可能な未来を創り出す 真の「復幸」の実現に向けて動き出す、まちと事業者、そして町民が一体となり新しいまちづくりの推進力となる。

「新しい取り組みがまちに賑わいや変化をもたらし、
魅力的な場所に変わるきっかけになる」

まちの水産業の復興に向けて今ある資源を活用する

 宮城県の東端、牡鹿半島のつけ根に位置する女川町は日本屈指の好漁場といわれる金華山漁場に近い小さな港まちである。サンマの水揚げ量は全国でもトップクラスを誇り、水産関連の観光施設を中心に年間約70万人もの人が来町し、小さいながらも豊かな観光資源に恵まれていた。しかし、賑やかなまちの景観は震災の大津波で一変した。女川町を襲った津波は20m超とされ、まちの中心部を含めたおよそ8割が流されてしまい、主要産業はストップしてしまった。「女川の被害は甚大で、まちは壊滅状態でした。水産業を中心に多くの事業者が職を失いました。このままではまちが衰退してしまう。まちのために何ができるかを模索していました」と、当時を振り返るのは「復幸まちづくり女川合同会社」の代表を務める阿部喜英さん。阿部さんは女川町で新聞店を経営し、震災前から女川町商工会青年部に所属し、まちづくりに携わってきた事業者である。

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 女川町では早い段階で復興に向けて動き出し、震災の翌月にはまちのあらゆる事業者が集まった復興連絡協議会を発足。その中で「まちづくり創造委員会」が組織され、阿部さんは委員長を務めた。「女川の経済を支えているのは主に漁業と水産加工業です。まちに人が集まるのは、そこに仕事があるからです。まちの経済構造を考えた時、女川の水産業を再建し、雇用を確保しなければ人口がどんどん減っていくのは目に見えていました」。

 とはいえ震災直後はまちのいたるところに瓦礫が残っている状況で、ハード面のまちづくり施策は到底できそうになかった。そこで、阿部さんはまちづくり創造委員会のメンバーを中心に法人設立参加者を募り、2012年9月に復幸まちづくり女川合同会社(以下、合同会社)を設立した。合同会社に参加したのは、いずれも水産関連業や飲食店など様々な業種で働く7人のリーダーシップのある若手事業者たち。

 合同会社で取り組むのは地域で開発された商品のブランド化と水産業の体験プログラムである。設立当時は仮設施設を使ってようやく漁業が再建に向けて動き始めていたところであったが、水産加工業の多くは震災後に販路を失ってしまっていた。そこで、まずは販路回復のために商品をインターネットで販売することから始めた。女川ブランドを発信するため、できるところからのスタートであった。一方で、養殖漁業がようやく再開し、浜では養殖漁業の様子や市場に魚が水揚げされた様子などを見ることができた。こうした光景は「訪れた人にありのままの女川を見てもらうことで女川を好きになってもらい、少しでも交流人口を増やしていきたい」との想いを生み、合同会社では水産業の体験プログラムの開発にも取り組み始めた。

「千年に一度のまちづくり」 持続可能な未来に向けた取り組み

 合同会社設立とほぼ同時期に、「復興応援 キリン絆プロジェクト」の支援の話が阿部さんのもとに届いた。「取り組みを始めた最初の1年はインターネットの販売は順調ではありませんでした。水産業体験プログラムも、まちの漁業がまだ復旧段階で、キリン絆プロジェクトの支援がなかったらやり通せなかったと思います」と阿部さんは話す。

 阿部さんは合同会社の運営と新聞販売店の経営を並行して行っている。ほかのメンバーもそれぞれの本業を抱えながら活動に携わる。「プロジェクトの収益はすべて合同会社の運営費にまわしています。このまま、まちの人口流出が続けば新聞の契約者数が減ってしまい、新聞販売店は立ち行かなくなります。このプロジェクトの成果は自分たちの本業に直結しているのです。まちづくりを継続して進めるためには、事業として取り組み、少しでも収益を上げることを目標に運営していかなければなりません」。

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 震災から4年が経った2015年3月、女川町のまちづくりの中核を担う女川駅が再開した。同年6月「女川ブランディングプロジェクト」の拠点となる「あがいんステーション」も完成。女川町のまちづくりは大きな一歩を踏み出した。女川町では「千年に一度のまちづくり」として、まちと事業者、町民が一体となって復興計画を進めている。女川町の魅力を発信する阿部さんたちの取り組みは、まちづくりに寄り添いながらこれからさらに進化していく。

選りすぐりの女川ブランド商品を全国に発信

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 女川ブランディングプロジェクトでは、女川町の水産加工品のブランド化のために、商品を「あがいん おながわ」ブランドとして認定、統一販売を行っている。「あがいん」とは女川地方の方言で「召し上がれ」を意味し、また女川町の復興への願いを込めて、英語の「AGAIN」の想いも込めている。

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 ブランドの認定基準は"女川町で水揚げされた水産物を使っている"か、"女川町で加工されたもの"であること。この基準をクリアした商品は外部有識者の審査へと移り、味と価格、パッケージのバランスがとれているかどうかでブランド認定の最終判断をされる。美味しいだけでは認められない厳しい審査をクリアした商品が「あがいん おながわ」ブランドとして認定される。認定商品は3社8商品からスタートし、2015年11月には10社31商品まで増えた。現在は認定がメインだが、ゆくゆくはオリジナル商品の開発も予定している。「あがいん おながわ」ブランドの今後の展開にも期待が高まる。

まちの魅力を肌で感じる水産業体験プログラム

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 プロジェクトのもう一つの象徴的な活動が水産業体験プログラムである。1時間ほどのプログラムが用意されており、「水産業についての座学」から「調理体験」までを一貫して体験できる。3月から11月まではホタテの養殖について学び、殻の掃除や専用のへらを使った貝むきなどの出荷準備体験を行う。ホタテのシーズンではない時期や天候などが原因で水揚げできなかった場合は地域の水産加工会社と協力したサンマの加工体験を用意。そのほかにも「養殖場での水揚げ体験」や「魚の捌き方~調理体験」など様々な体験メニューを準備している。人数や目的に応じて、1年を通じて様々なプログラムをつくり、女川町の水産業を体験できるようになっている。

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 こうした水産業の体験プログラムは女川町に観光客を呼び戻すための施策として考えられた。「発案当時、宮城県として農業体験のプログラムはありましたが、漁業体験を受け入れられる体制がまだほかの地域でも整っておらず、チャンスだと思いました」と阿部さんはいう。女川町で漁業体験プログラムができれば、年々増えている個人旅行者にも対応できるだけでなく、小中学校の総合学習や企業の社員研修など観光以外での来町も見込める。

 そこで座学や収獲・調理体験などのメニューをいくつか考え、ボランティアなどで女川町を訪れた人たちを対象にモニタリングを実施。3年にわたって体験メニューのブラッシュアップを行った。「最初は子ども向けにゲーム性のあるプログラムも考えていたのですが、モニタリングを行ったことで、ホタテの水揚げ現場や殻の掃除など、女川で日常的に行われていることが喜んでもらえるんだと改めて気づかされました。そうした気づきを通して、ありのままの女川を体感していただける現在のプログラムに落ち着きました」。

水産業体験施設「あがいんステーション」

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 プロジェクト発足からおよそ3年が経った2015年6月、水産業体験施設「あがいんステーション」が完成。津波で流されてしまった旧女川駅の外観を復元したこの施設は、まちづくりの中心となっている女川駅前に新たに建設される商業エリアの一角にあり、女川町の過去と未来をつなぐ交流の拠点として利用される。

 水産業体験プログラムはそれまで屋外で実施されることが多く、天候の影響を受けやすかったが、あがいんステーションの完成によって、安定したプログラム提供が行えるようになった。また、あがいんステーション内にある「あがいんプラザ」では、「あがいん おながわ」ブランドの認定商品の販売を行うほか、全国の選りすぐりの食材を販売する。そのほかワークショップや東北地方でお茶飲みしながら集うことを意味する「お茶っこ」もできる休憩スペースも完備、町内外からたくさんの人が訪れ憩いの場となっている。こうしてたくさんの人があがいんステーションを訪れ女川町を共有することで、まちはより一層深く形成されていく。

〜復興から未来へ〜 復幸まちづくり女川合同会社が描く未来

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 震災後の新しいまちづくりの拠点となる女川駅が再開しました。復幸まちづくり女川合同会社の運営施設「あがいんステーション」も続けてオープンし、新しいまちづくりがようやく実感を持って動き始めました。駅前の商業施設が完成すれば、まちはさらに賑やかになるでしょう。

 しかし、まちづくりのゴールはそこではありません。まちづくりのコンセプトの一つは、シャッター通りを作らず5年後も10年後もその場所で事業が行われていることです。産業が持続できる環境が整えば、今度はまちに住みたいという人が増えるはずです。女川では震災後にお店を始めた方が少なくありません。こういった新しい事業者の方もどんどん出店できるような、変化を受け入れられるまちでいられることが理想です。

プロジェクトから生まれたブランド

女川町を愛する想いから生まれたオリジナルブランド

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あがいん おながわ」ブランド認定商品
女川町で水揚げされた水産物を使用している、もしくは女川町で加工した商品で、
さらに、県内外の「食に関するスペシャリスト」で構成された
「あがいん おながわ認定審査会」にて、 味、価格、パッケージのバランスにおいて
一定基準をクリアした自慢の商品です。
※掲載画像の商品は一例です。商品についてはお問合せください。

お問合せ
復幸まちづくり女川合同会社
所在地:宮城県牡鹿郡女川町女川浜大原 479-2
TEL:0225-98-7839
<URL>onagawa.co.jp
<ECサイト>store.shopping.yahoo.co.jp/onagawa-again/

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